骨髄移植とは、白血病や再生不良性貧血などの病気によって、正常な造血が行われなくなってしまった患者さんの骨髄幹細胞を、健康な方の骨髄幹細胞と入れ替えることにより、造血機能を回復させる治療法です。
日本では「骨髄バンク事業」が1992年から開始され、これまでに多くの患者さんを救う実績をあげています。しかし、日本の骨髄バンクで骨髄移植を必要とする患者さんは、毎年2000人以上の患者さんが骨髄移植を必要としています。一人でも多くの患者さんを救うためには、一人でも多くのドナー登録が必要です。
ドナーを待つ患者さんにとっては、あなたの登録が、大きな希望になります。
ドナー登録できる方
ドナー登録をできるのは、次の各項目全部を満たす方です。
- 骨髄提供の内容を十分理解している方
- 年齢が18歳以上、54歳以下で健康な方
- 体重が男性45kg以上、女性40kg以上の方
※ドナー登録後の健康状態によっては、コーディネートを進めることができないこともあります。
※骨髄提供にあたっては家族の同意が必要です。
ドナー登録できないケース
- 病気療養中または服薬中の方
特に気管支ぜんそく、肝臓病、腎臓病、糖尿病など、慢性疾患の方
- 以下の病歴がある方
悪性腫瘍(がん)、膠原病(慢性関節リウマチなど)、自己免疫疾患、先天性心疾患、心筋梗塞、狭心症、脳卒中
- 悪性高熱症の場合は、本人・ご家族とも病歴がある方
- 最高血圧が151以上または89以下の方、最低血圧が101以上の方
- 輸血を受けたことがある方、貧血の方、血液の病気の方
- ウイルス性肝炎、エイズ、梅毒、マラリアなどの感染症の病気の方
- 食事や薬で呼吸困難や高度の発疹などの症状が出たことがある方
- 椎間板ヘルニア等で腰に手術を受けたことがある方
- 過度の肥満の方=BMI(体重kg÷身長m÷身長m)が30を超える方
ドナー登録手続きの流れ
- 2cc採血し、白血球の型を調べます。
- 後日、登録確認書が登録データセンターから送られます。
- ドナー登録された方の白血球の型は、定期的に患者さんと照合検索を行います。
※ドナー登録には受付から採血まで約15分程度かかります。
骨髄移植とは
移植の方法
- 骨髄提供者(ドナー)は全身麻酔の処置を受けます。
- 次に骨(腸骨)に手をあて両肘を張った時に親指の当る位置のやや下のあたりから、注射器で骨髄液を採取します。
- その骨髄液を患者の腕の静脈に点滴します。
- その骨髄液の中の造血幹細胞が患者の骨髄で血液成分を作り始めると、骨髄移植は成功です。患者さんにとってはたいへんなつらい治療ですが、ドナーにとっては「移植」という言葉から連想されるような大手術ではありません。
骨髄移植ドナー支援事業奨励金制度
ドナー登録提供者に骨髄移植ドナー支援事業奨励金を交付します。
骨髄移植が必要な病気
白血病
血液を造る細胞の異常で、ガン化した血液細胞のみ増え、正常な血液が造られなくなる病気。
再生不良性貧血
血液を造る造血幹細胞の機能が低下し、血液成分が極端に少なくなるため、出血・感染・貧血等が問題となる病気。
骨髄異形成症候群
白血病と再生不良性貧血の中間の病気で、血液成分が減少するとともに、血球の形に異常がおこる病気。
先天性免疫不全症候群
身体を守る免疫機能が、生まれつき低下しているため感染症にかかりやすくなる病気。
骨髄バンクに関するお問い合わせ先 骨髄移植推進財団
フリーダイヤル0120-445-445(通話無料)