納税者が、都道府県、市町村や特別区、日本赤十字社の支部などの組織に対して、条例で定める寄付金を支出した場合、次の計算式により算出された金額を税額(所得割部分)から控除することができます。(所得割が発生していない場合は控除されません。)
(1.2.のいずれか低い金額-2,000円)×10%
- 前年一年間に支出した寄付金の合計額
- 前年一年間の総所得金額等の30%
住民税の税額控除を適用可能な寄付金の種類
- 都道府県に対する寄付金
- 市町村や特別区に対する寄付金
- 都道府県共同募金会に対する寄付金
- 日本赤十字社の支部に対する寄付金
- 都道府県や市町村・特別区が条例で指定した社会福祉法人、NPO法人等に対する寄付金
上記(寄付金種類)オに該当する寄付金の留意点
オの寄付金の場合、都道府県又は市町村・特別区の条例で指定された法人等でなければ、税額控除の対象となりません。都道府県の条例で指定されている法人等の場合、都道府県民税分から、納税先市町村・特別区の条例で指定されている法人等の場合、市町村・特別区民税分から、都道府県と納税先市町村・特別区両方の条例で指定されている法人等の場合、都道府県民税、市町村・特別区民税分両方(所得割額全体)から控除されます。
したがって、棚倉町においては、福島県・棚倉町両方の条例で指定されている法人等に寄付した場合、町県民税の所得割額全体から税額控除されますが、福島県又は棚倉町どちらか一方の条例で指定されている法人等に寄付した場合、町民税部分又は県民税部分のいずれかから控除されます。
上記アとイの寄付金の場合、下記の計算方法により算出した金額が加算されます。(ふるさと寄付金)
(前年一年間に支出したア又はイの寄付金合計額-2,000円)×下記の表に該当する割合
⇒この計算式で算出された金額が、住民税(町県民税)の所得割額の10%を超える場合、住民税(町県民税)の所得割額の10%が加算額となります。
課税総所得金額-(5万円+所得税との人的控除の差額) | 割合 |
---|---|
195万円以下 | 84.895% |
195万円超、330万円以下 |
79.79% |
330万円超、695万円以下 | 69.58% |
695万円超、900万円以下 | 66.517% |
900万円超、1,800万円以下 | 56.307% |
1,800万円超、4,000万円以下 | 49.16% |
4,000万円超 | 44.055% |
寄付金税額控除の計算例)
計算例:サラリーマンAさんの場合
Aさんの家族構成及び前年一年間の収入等
- 年間収入:500万(給与のみ)
- 家族:妻(専業主婦)、子供2人(いずれも16歳未満)
- 厚生年金保険料・健康保険料を86万円支出
- 生命保険料を15万円支出
- 棚倉町に「ふるさと寄付金」として5万円を寄付
Aさんの総所得金額
給与所得控除額=500万×20%+44万=144万
給与所得額=500万-144万=356万
総所得金額=356万円
Aさんの所得控除
適用する控除 | 住民税控除額 |
---|---|
社会保険料控除 | 86万 |
生命保険料控除 |
3万5千 |
配偶者控除 | 33万 |
基礎控除 | 43万 |
計 | 165.5万 |
Aさんの住民税(町県民税)の所得割額
課税総所得金額=356万-165.5万=190.5万
所得割額=190.5万×10%-調整控除(5,000円)=185,500円
⇒内訳:町民税分111,300円(185,500×60%)、県民税分74,200円(185,500×40%)
Aさんの住民税における所得税との人的控除の差
人的控除 | 住民税控除額(A) | 所得税控除額(B) | 人的控除の差(A)-(B) |
---|---|---|---|
配偶者控除 | 33万 | 38万 | 5万 |
基礎控除 |
43万 |
48万 | 5万 |
人的控除の差額=10万
Aさんの寄付金税額控除額
課税総所得金額-(5万+人的控除の差額)⇒190.5万-15万=175.5万
※195万円以下なので、適用割合は「84.895%」となる。
(50,000円-2,000円)×10%=4,800円・・・1
(50,000円-2,000円)×84.895%=40749.6円>所得割額の10%(18,550円)
⇒よって、加算額:18,550円・・・2
1+2=23,350円(寄付金税額控除額)
⇒内訳:町民税分14,010円(23,350×60%)、県民税分9,340円(23,350円×40%)
Aさんの住民税(町県民税)の税額
185,500円(所得割額)-23,350円(寄付金税額控除額)+6,000円(均等割額)
=168,150円⇒168,000円(100円未満切り捨て)